霜降と七十二候:霜始降・霎時施・楓蔦黄が告げる秋の深まりと三ケ日みかんの旬

霜降のすすき

朝晩の空気に「ひんやり」が混じるようになると、季節の移ろいを肌で感じますね。暦の上では10月23日ごろが霜降(そうこう)──「霜が降り始める頃」を意味する二十四節気の一つです。霜降は秋の終盤にあたり、ここから冬への道筋がゆっくりと見えてきます。

二十四節気をさらに細かく分けた**七十二候(しちじゅうにこう)**は、一年を約5日ごとの小さな季節に分け、自然の変化を繊細に描き出します。霜降の期間にあたる三つの七十二候を追いながら、秋の深まりの情景をたどってみましょう。


霜始降(しもはじめてふる)──霜が初めて地に降りる頃

霜降の第一候、霜始降はその名の通り「はじめて霜が降りる日々」を指します。夜間の気温が下がり、明け方に草や葉の先端に白い結晶が光ることが増えてくる時期です。朝の光が霜を浮かび上がらせる風景は、凛とした静寂と共に季節の区切りを感じさせます。

この頃は日中と朝晩の寒暖差が大きく、自律神経が乱れやすい時期でもあります。衣類の調整や睡眠・食事で体調管理に気をつけたいですね。


霎時施(こさめときどきふる)──秋雨の名残、こまめに降る小雨

霜始降の次の候は霎時施(こさめときどきふる)。読んで字のごとく「時々こまやかに雨が降る」頃を表します。秋の深まりとともに、局地的にぱらつく小雨や、しとしととした時雨のような降り方が見られます。気温は下がり始めますが、大きな嵐ではなく、穏やかな雨が繰り返し降るのが特徴です。

日本の季節感はこうした細かな天候の変化に富んでいます。傘を持つかどうか迷うような「こまごました雨」は、風景にしっとりとした深みを与え、木々や草花の色を鮮やかに見せてくれます。


楓蔦黄(もみじつたきばむ)──山は紅葉、つたは黄に染まる頃

霜降の末候は楓蔦黄(もみじつたきばむ)。楓(もみじ)は赤く、蔦(つた)は黄色く葉を染め、山里がやわらかな暖色で満たされる頃です。夏の緑から秋の色へ移り変わる、そのクライマックスとも言える季節。朝露や小雨で色づきがいっそう鮮やかに見えることも多いです。

この時期は、屋外で季節の風景を楽しむのに最適。深まる秋の色合いは、散歩や短いドライブで心を満たしてくれます。


霜降の暮らし──衣替えと食卓の楽しみ

霜始降から楓蔦黄へと進む間、私たちは衣替えをして暖かい飲み物を恋しく思います。食卓も秋の味で満ちてきます。旬の根菜やきのこ、そしてフルーツではみかんが少しずつ姿を見せ始めます。特に静岡・三ケ日のみかんは、地域の気候と土壌が育てた独特の甘みとコクで知られ、秋の終わりから冬にかけての楽しみのひとつです。


三ケ日みかん(極早生・早生):霜降の季節におすすめの理由

霜降の時期にかけて出回る**極早生(ごくわせ)早生(わせ)**の三ケ日みかんは、朝晩の冷え込みと日中の残暑が生む味のバランスが魅力です。

早生みかん 極早生みかん
今が旬の 早生みかん 極早生みかん 三ケ日みかん 由良みかん
  • 極早生みかん(早い収穫時期):果汁が多く爽やかな酸味と軽やかな甘さ。朝の一口にぴったり。
  • 早生みかん(やや遅めの収穫):糖度がのりやすく、濃厚でまろやかな甘さ。デザートやおやつにおすすめ。

どちらもビタミンCや食物繊維を含み、肌や体調管理にも嬉しい果物。冷たい朝や、夜のくつろぎ時間にホッとする一片を添えてみてください。


まとめとご案内

霜降から七十二候の移ろいを感じるとき、季節は確実に変わり、食卓には新しい旬がやってきます。秋の終わりに味わう**三ケ日みかん(極早生・早生)**は、爽やかな酸味と自然な甘みが魅力。季節の贈り物やご家庭の毎日のおやつに、ぜひ一度お試しください。