雨のはじまりに香る「ペトリコール」と雨上がりの「ゲオスミン」──匂いで季節を味わう、そして香ばしいうなぎへ

梅雨入り 梅雨の雨粒

雨が降りそうだ——そう感じさせる、独特の“匂い”に気づいたことはありませんか?
どこか懐かしく、少しだけ胸が高鳴るようなあの香り。実は科学的に名前が付いています。


「雨の匂い」をつくる二つの主役

まず、雨の降り始めに感じる香りは ペトリコール(Petrichor) と呼ばれます。
語源はギリシャ語の「ペトラ(石)」と「イコル(神々の血液)」。
長く乾いた大地に最初の雨粒が触れた瞬間、土や岩の表面に蓄積していた植物の油脂が弾け、
極小の泡となって空気中に舞い上がる——これが“石のエッセンス”と称されるペトリコールの正体です。

そこへ加わるのが ゲオスミン(Geosmin)
名前はやはりギリシャ語で「大地の匂い」。土壌中の放線菌などの微生物が産生する有機化合物で、
雨があたり水分が蒸発し始めると“土っぽい”芳香を放ちます。
降り始めのペトリコール、雨上がりのゲオスミン——この二重奏こそが私たちの鼻に「雨の匂い」を届けているのです。


人は雨の香りをどう感じている?

ウェザーニュース社が2020年に行った調査によると、
雨の匂いが「好き」と答えた人は36%、「嫌い」は17%。
半数近い人が「どちらでもない」としつつも、匂い自体への関心は高いようです。
ペトリコールの落ち着きある香りを“リラックス”ととらえるか、“湿気の始まり”と感じるか——
感じ方にも個性が表れるのが面白いところですね。


匂いから連想される、もうひとつのごちそう

香りの話題が続くと、ふと“食”の匂いにも意識が向きませんか?
たとえば夕方、町なかで漂ううなぎ蒲焼きの香ばしさ。
炭火で焼かれた皮のパリッと弾ける音、甘辛いタレが立ち昇る湯気——
思わず足を止めてしまうほど、鼻先をくすぐる幸福な匂いです。

静岡・浜名湖産のうなぎは、身のふっくら感と脂のノリが自慢。
セレクトフードの手焼き蒲焼きは、解凍→湯せんで本格的な味わい。
雨上がりの夕食に取り入れれば、大地の匂いから炭火の香りへ──
嗅覚で楽しむ季節のバトンリレーが完成します。


雨の季節を“香り”で楽しもう

ペトリコールも、ゲオスミンも、香ばしいうなぎの匂いも。
すべては空気中の微細な分子が運ぶ、目には見えない小さなサインです。

「今日はどんな匂いがするだろう?」と耳(鼻?)を澄ませば、
雨の日も、雨上がりも、わくわくする発見があるはず。

そして夕飯どきには、キッチンいっぱいに広がる蒲焼きの香りで
一日の終わりを贅沢に締めくくるのはいかがでしょうか。

雨の匂いで心を整え、うなぎの匂いでお腹を満たす。
嗅覚が誘う小さな冒険を、ぜひお楽しみください。


▼香りまでごちそう。


梅雨の湿気も悪くない。そんなふうに思えたら、この季節はぐっと楽しくなりますね。